このTシャツは、男性である自分の立場で、性差に起因した犯罪や性犯罪のない社会を作るために何かできないか、と考えて作りました。

製作にあたって、何人かのフェミニストの友人をはじめ、多くの方に相談に乗っていただきました。

ご協力に心から感謝しています、ありがとうございました。

また、利益の一部は(様々な立場の)女性をサポートするための団体等に寄付します。

寄付先は都度報告させていただきます。

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元々フェミニズムをテーマにしたTシャツを作りたいとは思っていたんですが、具体的に動き始めたきっかけは2021年8月に小田急線で起きた刺傷事件(以下「今回の事件」とします)でした。

フラッシュバックの可能性があるため具体的な発言や内容は挙げませんが、犯人は女性をターゲットにした旨の供述をしており、今回の事件をきっかけに「フェミサイド」という単語を知った方も多いのではと思います。

性別に限らず、属性を理由に危害を加えることは明確なヘイトクライムであって、決して許されることではありません(しかも、往々にして「見た目の性別」しか見てませんよね)。

僕は今回の事件をはじめとした、あらゆるヘイトクライムを断固として許しません。

そして、「女性である」ことを理由に危害を加えられることのない社会を作るための一助になればと思い、今回のTシャツを作りました。

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半袖のバックプリント及び長袖の袖プリントのメッセージは、海外で行われたWomen's Marchの参加者が掲げていた、プラカードの内容を参考にしました。

性暴力を「しない」ようにでなく性暴力を「されない」ように教える・教えられる文化を"RAPE CULTURE"と言い、これは単に特定の行為のみを指すわけではなく、前述のような文化を当然のものと見做す「空気」そのものを指していると言って良いと思います。

例えば、男性が加害者、女性が被害者の性暴力があったとします。

被害者の服装・メイク・顔立ち・体型などに問題があるような言い方をすること。

被害者が加害者に対してNOと言わなかったから、被害者が夜遅くに外を歩いていたから…など、被害者の行動に落ち度があるかのような発言をすること。

被害について第三者が「大げさだ」「みんなそれくらいの経験あるよね」などと話を小さくしたり、「本当にそんなことがあったの？」などと、事実でないかのように言うこと。

その一方、加害者については「お互い酔ってたみたいだし」「普段はそんなことするような人じゃない」「家庭もあるし許してあげようよ」などと擁護したり免罪してしまうこと。

誰しも心当たりがあるのではないかと思います。

主に男性と女性の間にこうした「非対称性」があり、女性を対等な人格・人権を持った人間として考えることができない。

それが”RAPE CULTURE”の温床となっていることを、男性は特に強く自覚する必要があります。

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"TOXIC MASCULINITY"は「有害な男らしさ」と訳されることが多く、「他人より優れていたい」「他人より強くあるべし」といった、社会で想起されている「男らしさ」のイメージに男性自身が執着し、自らがイメージ通りであり続けることや、他の男性にイメージに沿うように強要してしまうことを指します。

その結果、男性自身が大きなストレスを抱えて悩み苦しみ、自らの「男らしさ」を誇示するために暴力(的な行為)に走ることがある。

これも、特に男性は心当たりがあるのではないでしょうか。

今回の事件においても、”TOXIC MASCULINITY”の影響がゼロとは言えないと思います。

しかし、だからといって"TOXIC MASCULINITY"は「女性を傷つける免罪符」になり得るのか？

言うまでもなくNOです。

そもそも、女性は男性の支配や暴力の対象として生きているのではありません。

そして「有害な男らしさ」に男性自身が悩まされることは深刻な問題ですが、そこに重きを置きすぎると、「男性個人じゃなくて環境や社会が悪いからだよね」と加害者を擁護しているように受け止められかねません。

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"RAPE CULTURE"と"TOXIC MASCULINITY"は密接な関係にあります。

あたかも常識かのように存在する男女間の非対称性や、女性に対する支配欲に無自覚で、女性と対等な立場で接することができない。

過度で有害な「男らしさ」に追い詰められた結果、女性を含む自分より弱い立場(に見える)の人を支配や暴力の対象としてしまう。

それらはお互いを補完し合っています。

そして、「有害な男らしさ」に起因している可能性が高そうな今回の事件が直接的な性犯罪ではないように、「有害な男らしさ」は必ずしも性欲をきっかけにしたり、性犯罪として具現化するわけではなく、今回の事件のような暴力など、様々な形で表出します。

そうなると、今回のような事件や性犯罪を無くすためには、まずRAPE CULTUREには加担せず止める・やめるべきだし、TOXIC MASCULINITYには私のようなシスヘテロ男性*こそ抗うべきだと考えました。

*シスヘテロ=シスジェンダー(産まれた時の性別と性自認が一致している)+ヘテロセクシャル(異性愛者)

そのためには、社会・政治・経済・文化などあらゆる面に存在している、性別による格差をなくしていくための思想・運動である「フェミニズム」を知る必要があると感じ、”KNOW ABOUT FEMINISM”というメッセージをフロントプリントにしました。

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ここまで色々書いてきましたが、僕に対して「自分にだって、後ろめたいことのひとつやふたつあるんじゃないの？」と思う方もいると思います。

あります。

女性に対してひどいことや失礼なことをして謝ったり、中には謝る機会を失してしまったこともあります。

その全てを悔やみ、反省しています。

そして、今はそういったことを過去の出来事とせず、今後は繰り返さないために、日々人との関わり方を意識している部分もあります。

この文章を読んでいただいた方々の中でも、「自分自身、女性の尊厳を傷つけるようなことをした経験があるので、表立って意見表明できない」と感じた方もいるかと思います。

正直なところ、特に成人男性では、強弱はあれど後ろめたさのない人なんて存在しないとも思います。

また、上記のような経験のある僕が、こうしたメッセージのTシャツをリリースすることが適切なのかどうか、どれだけ考えてもわからないところもあります。

しかし、僕も含めた多くの男性が、自身の後ろめたさを理由に行動しないことを選んでしまっては、「女性であることを理由に危害を加えられることのない社会」の実現が遠のいてしまいます。

そして、ある問題についてひとつでも後ろめたさのある人は、たとえ反省し自らの行動を変えたとしても永久にその問題の解決のために動くことができない、とは僕は考えません。

だからこそ、フェミニズムについて知ろうとすることは、それぞれが自らの行動を反省し正すことや、性別を理由に嫌な思いをする人を減らすことに繋がると考えます。

このTシャツが、フェミニズムに関する本を読んだり、我が身を振り返ったり、周りの人と話したり、性差に悩む人を助けるきっかけになれば嬉しいです。

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また、今回は環境問題を考慮して、2種類のボディを使用しています。

商品ページに比較画像をつけているのでご参照ください。

ひとつはこれまで使ってきた「Alstyle」。

価格の割に6.2ozと生地が厚く、首の詰まったビッグサイズのボディで、僕が持っているTシャツのボディはダントツでAlstyleが多いです。

もうひとつは今回初めて使う「Earth Positive」。

SDGsという言葉が声高に使われているように(使い方には賛否ありますが)、環境破壊や地球温暖化を防ぎ、持続可能な社会を作っていくことは急務です。

Earth PositiveのTシャツは繊維製品の製造加工における国際基準である「GOTS認証」を受けたオーガニック製品であり、原料から最終製品まで環境・社会に配慮することで初めて認証を受けます。

併せて、強制労働や児童労働の禁止、搾取のない労働条件、差別禁止の実践なども認証要件になっています。

5.6ozとAlstyleに比べると若干薄いですが、生地の目が詰まっているのでそこまで気にならないと思います(インナーは若干浮きやすいかも)。

身幅は広めなのでAlstyleに慣れている人にも違和感ないと思いますが、首が広めでアームホールが若干狭い(けど長袖だと袖が長い)ので、若干Alstyleとは違ったシルエットになります。

原価の差やシルエットの違いもあり、全てをいきなりEarth Positiveに変えることはせず、まずは2種類のボディを並行して販売します。

オーガニックな素材のTシャツは敷居が高いイメージがあると思うので、お試しで買っていただけるように販売価格を抑えました。

僕と同じようにTシャツを作っている方の参考になれば良いな、という思いもあります。

サステナブルな生活を送るにはどうしたってお金がかかるのが実情ですし、僕自身もできているわけではありません。

できることからやっていきたい、と思っています。

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プリントカラーはベーシックなホワイト&ブラックに加え、イエローを用意しました。

ホワイト&ブラック以外のカラーは数回の受注ごとに変えるつもりなので、買い逃し厳禁でお願いします。

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ものすごく長くなりましたが、色々な思いを込めて久しぶりにTシャツを作りました。

気にかけていただけると嬉しいです。